葉酸とは
なぜ葉酸が注目されるようになったのか
2001年12月に厚生労働省が、食品からの摂取に加え、サプリメントで「葉酸」を1日400μg(0.4mg)を継続して摂取することで、赤ちゃんの先天性異常(二分脊椎や無脳症など)の発症リスクを減らすことができると発表したからです。
神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について
(http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html)
そもそも葉酸とは何か
葉酸は、ビタミンB群の仲間でB12とともに造血に関係があるといわれる水溶性のビタミンです。
細胞の中でホモシステインというアミノ酸が、メチオニンというアミノ酸に変換される反応を助ける働きをしています。メチオニンは、タンパク質の合成に必要です。また、細胞増殖に必要な DNA の合成にも必要です。
妊娠時や授乳中は通常の2倍の摂取が必要
通常の食事をしていたら不足はないとされていますが、妊娠中や授乳中には2倍必要だと言われています。厚生労働省も葉酸を1日400μg摂取すると、新生児の脊椎に起こる先天性障害の発症率が下がることから、妊婦は積極的に葉酸をとるよう推奨しています。
また、お酒を大量に飲む方も不足しやすいビタミンです。
葉酸はどのような食品に含まれているのか
葉酸は、ほうれん草などの葉ものの野菜や果物、豆類、レバーなどに多く含まれています。和食中心の食生活を送っていれば、葉酸はまず不足しないと言われていますが、加熱などによる調理によって壊れやすいので、なかなか十分な量を摂りきれていないのが現状です。
葉酸の摂取量は減少傾向
普段の食事では、葉酸の摂取量は、平成10年度の国民栄養調査データから、20〜30歳代の女性で1日平均約300μgの葉酸をとっていることがわかっています。それに対して、野菜類を多くとっている60〜70歳代の女性では、1日平均約400μgとっています。以上の結果から、ふだんから野菜や果物をとることの大切さがうかがえます。
葉酸をとり過ぎると、体にどんな影響があるのか?
現在までのところ、葉酸のとり過ぎによる疾患はみられていません。
1日に1000μg以上の葉酸をとると、ビタミンB12欠乏症による「巨赤芽球性貧血」という病気を診断しにくくなることがしられています。しかし、この「巨赤芽球性貧血」は若い人ではめったにみられません。
神経管閉鎖障害とは、どんな疾患?
神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄などの中枢神経系の神経管が作られる妊娠の4〜5週ごろに発生する先天異常です。日本では、出生した赤ちゃん1万人に対して約6人の割合でみられます。
神経管の下部に閉鎖障害が起きた場合、これを「二分脊椎」といいます。二分脊椎の起きた部位では、脊椎の骨が脊髄の神経組織を覆っていないため、神経組織が障害され、下肢の運動障害や膀胱・直腸機能障害がおきることがあります。
神経管の上部で閉鎖障害が起きると、脳が形成不全となり、これを「無脳症」といいます。無脳症の場合、流産や死産の割合が高くなります。
葉酸をとっていれば、神経管閉鎖障害をすべて予防できるのか?
すべての神経管閉鎖障害が葉酸の摂取不足だけでおこるわけではありません。ですが、葉酸不足によって引き起こされると考えられる場合とそれ以外の原因によるものとを見分ける方法は、残念ながらありません。
妊娠中や出産直後の方は妊娠中や出産後でも、体重が増えたことで、食事の量を気にされる方が多いようです。体重が気になるために、食事を制限したり、十分な栄養をとらないのは、胎児や幼児にあまり良い影響を与えません。